春秋戦国時代の中国を舞台としたストーリーの『キングダム』。
そんなキングダムをもっと楽しんでいただくために、時代背景となる春秋戦国時代や、戦いについて分かりやすく解説します。
キングダム ストーリー
キングダムは春秋戦国時代のストーリー。
天下の大将軍を目指す、元下僕の少年・信(しん)と中華統一のために奮闘する若き秦王・嬴政(えいせい)の活躍を壮大なスケールで描く戦国物語となっています。
なんと史実をもとに描かれているんですよ!
例えば、王騎(おうき)をはじめとする秦の六大将軍は実在した人物をモデルとしているようです。
原 泰久さんによるこの漫画は、大人気ロングセラーとなり、アニメキングダムの放送にとどまらず、2019年には初めて実写映画化されました!
まだまだ勢いが止まらない作品で、今後の展開も楽しみでなりません!
キングダム 春秋戦国時代とは
紀元前 | 2070年頃 | 夏(か) |
1600年頃 | 殷(いん) | |
1046年頃 | 周(しゅう) | |
770年 | 春秋(しゅんじゅう) | |
403年 | 戦国(せんごく) | |
221年 | 秦(しん) | |
206年 | 漢(かん) |
春秋戦国時代は紀元前770年から約500年続きます。
秦王・嬴政が誕生するのが紀元前246年頃とされているので、キングダムで描かれる物語は戦国時代の後期が舞台ということが分かります。
日本はまだ弥生時代
実はこの時代、日本でいうとまだ弥生時代なんです!
弥生時代というと、稲作農業が盛んになり人々が集落を築くようになる時代。
日本と比べると、中国がいかに進んでいたかがお分かりいただけるかと思います!
集落ができるようになると、しだいに貧富の差が生まれ、日本でも争いが勃発するようになりました。
しかし、中国の戦国時代との違いは戦いの圧倒的スケール!!
日本の弥生時代に起きた争いは、集落間の数十人や数百人での戦いだったと推測されていますが、中国では同じ頃、数万単位で国をあげての戦争が起こっていたのです!
有名な三国志はいつ?
ちなみに、中国史で多くの人が思い浮かぶのは、かの有名な『三国志』ではないでしょうか。
こちらは三国時代にあたるので、西暦220年以降の物語。
キングダムの舞台となる春秋戦国時代から後の話になるのです。
主人公・信が生きた春秋戦国時代は過酷な争乱が続いた太古の時代ということですね。
キングダム 春秋戦国時代の文明
春秋戦国時代の中国は、日本と比べて文明が非常に進んでいたことがよく分かります。
そもそも、日本の弥生時代は中国の『史記』のように文献がありませんでした。
文字で記録をするということがなかったため、当時の様子はあくまで推測するしかできないのです。
しかし春秋戦国時代の中国では、史記が残されているように情報を記録することが当たり前になっていたことが分かります。
他にも、貨幣が流通していることや農具や武器の進化など高度な文明を誇っていました。
キングダム 春秋戦国時代の七国

春秋戦国時代とは、春秋時代と戦国時代の二つの時代の総称。
春秋時代の末期に晋(しん)という国が魏・韓・趙の三国に分裂し、それぞれが国としてその領地を支配することを認められるようになります。
そこから戦国時代へと移り変わり、弱小国は次々と滅ぼされ、秦・魏・韓・楚・趙・燕・斉の七国が中華を支配するようになったのです。
これらの国は『戦国七雄(せんごくしちゆう)』と呼ばれるようになりました。
キングダムに登場する七つの国はこの戦国時代のお話になります。
作中でもあるように、この七国はそれぞれ王が存在し、軍事力・経済力・生産力などを高め、互いの国を侵略し支配しようと戦乱の時代が続くことになります。
実際、秦の国は他国を圧倒させるほど強国であったとの記録が残っているそうです。
キングダム 春秋戦国時代の動き
それではキングダムで描かれている主な戦いから、この時代の情勢を見てみましょう。(※内乱除く)
●蛇甘平原の戦い
●馬陽の戦い
●山陽の戦い
●合従軍戦
●著雍の戦い
●黒羊丘の戦い
●鄴攻め
●什虎攻め
●邯鄲大攻略戦
蛇甘平原(だかんへいげん)の戦い
秦VS魏
信の初陣。
秦が中華統一の第一歩として狙いを定めたのが、秦と魏の国境付近に位置し、最重要拠点の一つとなる滎陽(けいよう)でした。
秦軍を迎え撃つべく、進軍した魏軍と対峙したのが蛇甘平原で決戦の地となります。
総大将を務める麃公(ひょうこう)と呉慶(ごけい)の一騎討ちに持ち込まれ、秦軍は勝利を手にします!
馬陽(ばよう)の戦い
趙VS秦
秦は次に韓に狙いを定め進軍します。
しかし、その隙を狙って趙から十二万もの大軍が秦へ攻めてきたのです!!
趙軍の侵攻を食い止めたのが馬陽でした。
この戦いで総大将を務めた六大将軍・王騎は、趙軍総大将・龐煖(ほうけん)との戦いで致命傷を負い、命を落としてしまいます。
山陽(さんよう)の戦い
秦VS魏
秦・魏・韓の国境付近に位置する山陽を落とすべく、秦軍が侵攻した山陽の戦い。
秦は二十万強という大軍で魏へ進軍します。
秦総大将・蒙驁(もうごう)に対し、元趙三大天・廉頗(れんぱ)が迎え撃ちました。
廉頗が秦軍本陣に到達し波乱の展開を迎えるも、桓騎(かんき)の活躍により魏軍本陣の急襲に成功!!
秦は無事に山陽を奪取しました。
合従軍戦
趙・魏・楚・韓・燕・(斉)VS秦
秦が滅亡の危機にさらされた合従軍戦。
他国への侵攻の足がかりとなる山陽を手にした秦に対し、李牧と春申君(しゅんしんくん)が発起人となって六国が連合軍として襲来します。
外交の力で、斉を合従軍から離脱させるのに成功したものの、窮地に変わりない秦は、国の存亡をかけて名だたる将軍らを招集させました。
国門・函谷関(かんこくかん)で敵を迎え撃ちます!
著雍(ちょよう)の戦い
秦VS魏
中華統一への新たな一歩として、再び魏に狙いを定めた秦軍。
秦と魏の国境付近にある著雍を落とすべく、騰(とう)を総大将に侵攻します。(必殺技ファルファルの秘密)
対する魏軍は呉慶の子で若き智将・呉鳳明(ごほうめい)が迎え撃ちました。
魏火龍(ぎかりゅう)の出現に苦戦するも、王賁(おうほん)の策による同日同刻撃破がなんとか成功し、敵の弱点をつくことに成功した秦軍!!
見事、著雍を奪取します。
黒羊丘(こくようきゅう)の戦い
秦VS趙
考烈王(こうれつおう)の死去や春申君(しゅんしんくん)の暗殺など内政に大きな動きが見られた楚。
楚への侵攻を予定していた秦軍は、趙攻めへと進路を変更します。
狙いを定めたのは、趙の黒羊丘でした。
城は無く、樹海の中にある五つの丘の奪取戦です。
桓騎軍と飛信隊の内輪揉めがあるものの、見事黒羊を奪取します。
鄴(ぎょう)攻め
秦VS趙
黒羊を手にした秦は、趙へさらなる戦を仕掛けていきます!
次の狙いは難攻不落の要地と言われる趙の『鄴』でした。
王翦(おうせん)・楊端和(ようたんわ)・桓騎(かんき)軍の連合軍で、無謀ともとれる作戦で鄴攻めに挑み、趙軍と激戦を繰り広げる全面戦争となります!
戦いは兵糧戦となり、飢餓が迫る秦軍はどう乗り越えるのか…⁈
什虎(じゅうこ)攻め
秦・魏VS楚
趙を攻略するために、魏と三年同盟を結んだ秦。
同盟の見返りは秦魏連合軍で楚へ侵攻し、最重要拠点・什虎を陥落させ、魏に渡すというものでした。
什虎四将が迎え撃つこの戦いでは、敵対していた秦と魏が共闘し、呉鳳明(ごほうめい)の戦略によって秦軍も動きます。
見事な戦略と突破力によって、不敗の要地と言われてきた什虎が陥落します。
邯鄲(かんたん)大攻略戦
秦VS趙
秦では六大将軍が復活し、5人の将軍が任命されました。
三年同盟によって魏の脅威を取り除いた秦では、王翦軍・楊端和軍・桓騎軍で邯鄲大攻略戦として趙へさらなる戦を仕掛けることに。
秦軍は、影丘(えいきゅう)攻めで大苦戦を強いられたり、王翦軍の離脱など各地での趙軍の抵抗によって戦力を大幅に失ってしまいます。
しかし、邯鄲攻略のために進路変更を強いられながらも突き進んでいく秦軍。
捉えた宜安では、予想をはるかに上回る趙軍が待ち構えており絶対絶命の大ピンチに陥ります!
キングダム 春秋戦国時代 最後に
キングダムで描かれている春秋戦国時代の時代背景や情勢についてお届けしました。
秦は合従軍の襲来により、かつてないほどの窮地に陥るも、何とか国を死守することに成功します。
そして隣接する魏・趙・楚の国境に位置する重要拠点を中心に侵攻し、数々の激戦を繰り広げて、中華統一へ向けて歩みを進めています。
果たして秦はどのように六国を奪取していくのでしょうか⁈
この先のストーリーも目が離せません!
キングダム 関連情報
映画キングダム 大将軍の帰還
第1弾、第2弾、第3弾と邦画実写は超ヒット作となった映画キングダム。
待望の続編となる実写映画化第4弾『キングダム 大将軍の帰還』が2024年7月12日から公開され、上映されます!
舞台は趙軍と壮絶な戦いを繰り広げた馬陽の戦いの続きが描かれます。
総大将・王騎が矛を振りかざす様子や信の悲痛な叫ぶシーンなど必見です!
果たしてどのような戦いが繰り広げられるのでしょうか⁈
◆原作:原泰久「キングダム」(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
◆監督:佐藤信介 ◆脚本:黒岩勉、原泰久◆音楽:やまだ豊
◆出演:山﨑賢人、吉沢亮、橋本環奈、清野菜名、山田裕貴、岡山天音、三浦貴大、
新木優子、吉川晃司、髙嶋政宏、要潤、加藤雅也、高橋光臣、平山祐介、
山本耕史、草刈正雄、長澤まさみ、玉木宏、佐藤浩市、小栗旬、大沢たかお