大人気漫画『キングダム』のストーリーでは忘れてはならない馬陽(ばよう)の戦いを簡潔にまとめました。
主人公・信が初めて『飛信隊』と隊の名前を授かった馬陽(ばよう)防衛戦。
そして『秦の怪鳥』と呼ばれたあの王騎(おうき)将軍が命を落とした戦いでもあります。
因縁をもつ王騎と龐煖(ほうけん)の一騎打ちの再戦がここに!!
キングダム 馬陽(ばよう)の戦い―総大将

馬陽の戦いは、秦国が領土拡大のために隣国である韓に進攻している隙を狙って、趙が攻めてきたことで始まりました。
怒涛の侵攻を進める趙軍を前に、秦国は瞬く間に危急に陥ってしまいます。
そんな一刻を争う中、秦国は王騎将軍を総大将に任命し、趙軍に立ち向かうことに!
王騎将軍がこの馬陽での戦で総大将を受けもったのには深い訳がありました。
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キングダム 馬陽(ばよう)の戦い―約束

王騎にとって馬陽という地はとても辛い過去がありました。
馬陽は、かつての六将時代に王騎・摎(きょう)・昌文君(しょうぶんくん)で奪った土地。
そして摎が龐煖との戦いに敗れ倒れた地でもありました。
摎は昭王の子どもでしたが、素性を隠され王騎の召使として育てられました。
男顔負けの立派な武人に成長し、『戦いの天才』とも称されたほど。
そんな摎は幼少期に「城を百個とったら妻にしてほしい」と王騎と約束を交わしていました。
なんと馬陽は摎にとってその百個目の城だったのです。
もちろん王騎もそのことを忘れてはいませんでした。
この戦が終われば摎は王騎の妻になる予定だったということです。
キングダム 馬陽(ばよう)の戦い―因縁

しかし摎はこの地で龐煖に討たれました。
王騎の苦しみはどれほどのものだったのか…。
王騎は怒りと憎しみを抑えきれず、龐煖に襲い掛かり顔に深い傷を負わせました。
龐煖は深手を負ったことで「我が武が及ばなかった」と再び王騎を倒すことを決意。
王騎は長い間秦軍を率いるのを拒んできましたが、この馬陽での戦いで過去のしがらみと訣別するため立ち上がりました。
熾烈な戦いから9年。
その因縁に決着をつけるべく、再びこの2人が対立することになったのです!!
キングダム 馬陽(ばよう)の戦い―特命

趙軍十二万VS秦軍十万の馬陽防衛戦。
信は、百将として戦に参加します。
王騎は信の百人隊に重要な任務を授けました。
それは、敵の有能な武将の一人である『馮忌(ふうき)の首をとること』でした。
二万もいる趙軍の中に百人隊で突撃し、将の首をとってくるという超難題を突き付けられたのです!
隊員の誰もが不可能と感じたのではないでしょうか?
しかし信は「小隊の利を活かせば可能だ」とこの特命を引き受けました。
キングダム 馬陽(ばよう)の戦い―飛信隊

そんな信に王騎は褒美として『飛信隊』と隊の名を授けました。
飛信隊の誕生です!!
「豆つぶには豆つぶなりの強さがある」
「すき間を抜く身軽さがあり結集すれば決して砕けねェ石にもなる!」
そう王騎に話していた信。
仲間の犠牲を払いながらも、なんとか本陣にたどり着いた信は、見事馮忌の首をとることに成功し大きな武功を上げました!!
キングダム 馬陽(ばよう)の戦い―李牧の策

この馬陽の戦いで趙軍は勝てる自信がありました。
それは、総大将を務める三大天・龐煖に加えて李牧(りぼく)の存在があったからです。
策略家である李牧は、匈奴十万を葬った後に馬陽へ向かいこの秦・趙の戦いに軍を参入させ、一気に決着をつけようとしていました。
しかもこの作戦は、完全な情報封鎖を行っており、情報漏洩を防いでいたのです。
そのため秦軍はそのことを誰一人知りませんでした。
しかし、決戦の地に到着した時、総大将・王騎は予想していました。
これが罠であり、どこかに伏した援軍がいると。
そのため、王騎は軍を急がせたのです。
王騎は援軍が到着する前に決着をつけようとしていました。
キングダム 馬陽(ばよう)の戦い―対決

開戦から五日目、ついに両軍の大将がぶつかります!!
激しい一騎打ちが始まりました。
一進一退の攻防が続き、両者全く譲りません。
両者の大矛の動きが見えないほどの速さ。
信もその様子を見守っていました。
すると、李牧の奇襲がやってきたのです!!
王騎の予測ではあと半日はかかるはずでした。
李牧軍は常識をはるかに上回る速さで到着し、王騎がそれを読み間違えることまで予測していました。
キングダム 馬陽(ばよう)の戦い―魏加の矢

大将の一騎打ちを見守っていた両軍でしたが、騎馬と歩兵が入り乱れ、瞬く間に激しい大乱戦となってしまいました。
趙軍に囲まれたこの一刻を争う中で、王騎は早く決着をつけようとしていました。
しかしこの大乱戦の中、中華十弓の一人と言われている趙の魏加(ぎか)が王騎に一矢を放ちました。
その矢は王騎の背に命中。
その瞬間、王騎は龐煖に討たれてしまうのです!
キングダム 馬陽(ばよう)の戦い―矛

龐煖に斬られた王騎は、側近の騰(とう)や部下達の命懸けの突撃により活路を見出し、信とともに何とか趙軍から脱出することに成功します。
李牧はこの戦を秦への侵攻ではなく「王騎の死」を目的としていました。
そのため、これ以上無駄な犠牲を出さないためにも秦軍を追うことはしませんでした。
趙軍は全軍撤退しました。
山中へ逃げた王騎は力を振り絞り、部下達に最後の言葉を交わします。
騰にはこの先の王騎軍を託し、蒙武へはともに戦ってくれた感謝を、そして信へ自分の矛を渡しました。
騰が強い‼
騰の幼少期・ファルファルのはじまり
キングダム 馬陽(ばよう)の戦い―思い

「皆と共に修羅場をくぐりなさい。素質はありますよ 信。」
そう言って、天下の大将軍・王騎は静かに息を引き取りました。
もう涙なしではいられません。
王騎は十三の頃から戦場を駆け回っていたようです。
数えきれないほどの戦を乗り越え、多くの戦友を失い、また敵を葬ってきた王騎。
そんな多くの命とともに消えた思いが王騎の肩には重くのしかかっているのです。
もちろん摎の思いも一緒に。
天下の大将軍の強さは間違いなくここにあるのでしょう。
王騎は矛と一緒にこの熱い思いを信に託したのではないでしょうか。

キングダム 馬陽(ばよう)の戦い―最後に

キングダムの名場面ともなる馬陽(ばよう)の戦いについてお届けしました。
秦国は馬陽を何とか死守できたものの、かつての六将・王騎を失ったことは秦国にとってはかなりの痛手でしょう。
中華統一を目指す秦国の今後はいかに⁈